雑想/夢物語2009.09.02 10:09
それは何所かへの旅行先からの帰り道だった。

父さんは仕事が忙しくてどうも一緒に来れなかった、みたい。母さんと弟と、私さんにん。
私は手にスーツケースを持っている。いつものそれだ。私が海外に出る度にはいつも持って行ったもの。灰色のプラスチックで出来たスーツケース。だから私たちが今、海外から帰ろうとしているって事を簡単に推測出来た。

空港はそれほど広くは無かったが、廊下は狭い方で、少なめの人が大勢の人波に見える。

ターミナルは3つあった。
私たちは飛行機の時間に迫ってたらしくちょっと慌てていた。

母さんと弟が突然「あっちだ」と言って走り出した。

現実から夢へと突入した私はどうも、事態把握が遅い。彼らの言ってる事を理解するには時間がかかる。
どうやら、「あっちのターミナルだ」らしかった。

私は重いスーツケースを持ち、彼らを追った。彼らの背後に叫んでみた。

「2番じゃないの?」

質問だった。
主張ではなかった、筈。

気が付いたら2番ターミナルに向かうエレベータを上っていた。
正しく言えば、上って行くエレベータの上に乗せられていた(私が乗った覚えはないから)。

エレベータの先には廃工場みたいに広くて高い空間が広がれていた。
そこには芸術作品みたいなモノが置かれていて、よく解らないけれど、それに圧倒される気がした。

4、5人くらいの人がその広い浮いた世界で浮いた存在のようにじっくりと芸術作品を眺めながらゆっくりと足を運んでいた。でも、それを眺めている程、私たちは暇ではない。飛行機の時間に迫っていたのだ。

母さんが
珍しく愚痴を漏らした。

「だから1番ターミダルって言ったでしょ。いつもそうだね。私が言ってる事を聞けば楽に行けるのに、アンタはいつも余計な口を挟んで道に迷わせるの。この前の家族旅行だってそうだったでしょ?フェリーの乗り場が解らないって、私が言ってた方向に行ってたらあったのに、アンタはあるわけないじゃないとか言ってて。もっと遅れちゃう前に早く行こうね。」

それは母さんの珍しい愚痴で、私はその家族旅行ってのについて思っていた。
覚えがあった。

そうだ。
その時は「まともな家族旅行」で父さんも一緒だった。私たちはある街に行っていた。フェリーに乗って眺める街の風景が凄く綺麗だという噂を聞いて私が凄くはしゃいでた。だから、行っていた。私たちはどうもフェリーの乗り場が見つからなくて疲れて来ていた。私は「もういいよ。そんなもん観れなくても、もう街は全部観たんだからどこかのカフェーにでも入ってコーヒーでも飲もうよ」て言った。母さんは、すぐそこだろうに…と凄く残念そうに言った。私たちは川が見えるカフェーの窓際に座ってコーヒーとお茶とケーキを食べていた。
半分くらい食べていると、テーブルの上に陰が重なった。頭を上げたら、窓の外にでかいフェリーが通り過ぎていた。それは、フェリーってより只の船だった。そんなものが、それも母さんの言ってた方向から来ていた。多分、そのままずっと歩いてたら、私たちは今、ここじゃなくその船の上だった筈だ。
母さんは残念そうな顔を私に向けた。私は無言のまま顔をそらした。そうだ。一番はしゃいでたのは自分なのだ。だからそこまで残念ではない。でも家族には悪かったな、と思っていた。口べただから、何も言わなかった。何も言えなかった。


母さんはその事が忘れられなかったらしい。道に迷ってる今、そんな事を思い出して言うなんて。


と思ってた。
飛行機には多分、無事に乗ったと思う。


そして気が付いたら
その「家族旅行」も
私がある日みた夢に過ぎないって事が解った。


最低ここ4年半間、
私は家族と一緒に旅行した事がないから。

Posted by Lynn*

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