雑想/作2009.05.02 22:04
「失くした夢は取り戻せますか?」

と少女は鯨さんに聞いた。

「失くした夢ね。」

鯨さんは暫く眼を閉じて考え事に耽りました。
少女は鯨さんが瞼を開くまでじっと待ちました。

「失くした夢を取り戻す方法は無いみたいね。」

「やはりそうなんでしょうか」

「でも枯れた夢の欠片を心の片隅に埋めて置いたら、其の欠片はやがて種と化して其処から新しい若芽が芽生えてくるのだろう。その新しい若芽を大切に育てば良かろう。」

「では其の夢は「枯れた夢」とまったく同じなモノですか?」

「そうだね。「同じ」夢だとも言えるだろうね。けれど其の夢は新しく芽生えた夢。枯れた夢とはまた違う夢なんだ。何よりも枯れていった夢と同じく枯れてしまったら困るのではないのかい?だから「同じながらも違う夢」なんだ。大事にしてあげないと。」

と言い、鯨さんは空をゆっくり泳いで何処かへと去りました。
Posted by Lynn*
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